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本当にいいタオルには終わりがない
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明治40年から始まり100余年の伝統ある神藤タオル株式会社を引き継いでいるのは神藤貴志さん。タオルの2大産地の一つである大阪泉州で「泉州タオル」の技術力を活かした新たなタオルの境地を切り開こうとし、ファクトリーブランド「SHINTO TOWEL」を立ち上げた。

「本当にいいタオルには終わりがないんですよ」と神藤さん。私たちには一見、タオルは完成された機能やデザインに思えてしまうが、神藤さんはまだまだタオルは進化し、改善の余地があると言う。地球が変わるようにタオルも変わっていく。地球に相応しいデザインのタオルがある。そんな「SHINTO TOWEL」神藤貴志さんの想いとストーリーを聞いた。


「伝統を絶やしてはいけない」


先祖代々引き継がれる大阪泉州の神藤タオルの家系であったが、神藤さんのお父様は神藤タオルを継がずに銀行員であった。そのため神藤さんは大阪ではなく東京でごく普通の一般家庭として過ごした。祖父がタオル製造業を営んでいたのは知ってはいたが、自分もその道に進むということは特に考えなかったそう。

しかし大学3年生になり就職活動をする前に、祖父が神藤さんに「就職はどうするんだ?もし神藤タオルを継がないんだったら、たたむことを考えないといけない」と。

神藤さんもまだ就職活動に本腰を入れる前のタイミング。特に将来何かをしたいという思いもなかったので「自分の苗字が社名に入っている神藤タオルを終わらせるのはもったいない」という気持ちを優先し「大阪に行く」と腹をくくった。


大阪泉州に移り、神藤タオルの社員として入社。 職人の中に入っての新しい生活が始まった。最初は現場に入りタオル作りのイロハを教えてもらう。もちろん大阪での新しい生活での大変さなどがあったが、救われたのは、職人を含む社員たちが全く違う環境から来たいわゆる跡継ぎのボンボンとも言える神藤さんを分け隔てなく気さくに迎えてくれたことだ。

神藤さんが入社した時にはもう100年を越えている伝統ある会社。先祖代々と引き継がれている職人としてのものづくりへのプライドと、仲間としての想いやりが根付いていたのだろう。


入社して6年が経ち、ここで神藤さんにとっても神藤タオルにとっても大きな変化が訪れる。会社のトップを守っていた祖父が亡くなってしまう。ずっと仕事において堅気であった祖父。自分の手でずっとやれるまでやり尽くそうと思っていたのか、業務上の引き継ぎなどを何もしてこなかった。

引き継ぎが何もない状態で代表取締役の肩書きについた神藤さん。右も左も分からぬまま社長業に奔走していたが、会社の緊急事態に社員一同が慌てず通常業務が滞らないようにサポートに動いてくれたおかげだと神藤さんはいう。


100余年の先祖代々の想いを背負った神藤さん。祖父は直接神藤さんに継いでくれたことへの感謝を述べることはなかったそうだが、神藤さんがいないところでは「孫が帰ってくるんだ」って喜んでいたそう。

今の神藤さんの働きっぷりを天国にいる祖父はどのように見てくれているだろうか?


「後ざらし」が決め手の吸水性

肌触りに優れた

「SHINTO TOWEL」


社長就任から2年が経ち、社長業にも慣れてきたところで、新しいことを始めようと神藤タオルの顔となるブランド作りを始めた。泉州タオルの特徴の「後ざらし」という工程で生まれる「吸水性」「肌触りの優しさ」を最大限に活かしたタオルのファクトリーブランドだ。


「後ざらし」とは織りあがった後に綿糸に付いている糊や綿繊維に含まれる天然の油分や不純物を取り除く工程のこと。「後ざらし」を入念にやっているタオルは綿本来が持っている高い吸水性と優しい肌触りを持ったタオルになる。その特徴を活かし、独自開発の織り方と掛け合わせ、SHINTO TOWELブランドとして3種類のタオルを展開している。


『ユキネ』

泉州タオルの特徴である「後ざらし製法」

その後ざらしを入念にやることによって、より綿がもつ吸水性を最大限に引き出したのが「ユキネ」だ。混入物がなく混じり気のない綿が重なり合うことで、手で握った時にキュキュという感触が生まれる。

雪原を連想させる「鮮やかな白」をはじめ、縦糸のパイルに白、横糸に色バリエーションを加え、積雪から土や水、草木が顔をのぞかせているようなデザインが特徴だ。タオルを壁にかけてもユキネのデザインはインテリアとしても活躍してくれる。




『インナーパイル』

両面のガーゼにパイルを挟み込むという独自の技術によって開発された「インナーパイル」
昔ながらのシャットル機を熟練の職人が手間暇をかけて織り上げている。表面のガーゼによる優しい肌触りと、中心のパイルが持つ高い吸水性。

お風呂上がりや洗顔時をはじめ、枕カバーやブランケットとして使うなど、用途に応じて、さまざまなシーンで活躍してくれます。ボリュームがあるのに軽くて柔らかい、新しい発想のタオルだ。




『2.5重ガーゼ』

3重ガーゼの真ん中の生地を半分にするという特殊ガーゼ織りによって生まれた「2.5重ガーゼ」。変則的に織ることによって、ふんわりとやわらかく、独特の肌触りを実現した。吸水性の高さを保ちながら、かさばらず、ごわつかず、しかも速乾性に優れている。

この2.5重ガーゼは、自社ブランドでの展開前からこの生地で協働参加していたプロジェクトの運営を担当していた大阪のデザイン会社から、この肌触りと軽さはさまざまなシーンや使い方に適しているから、大きいサイズのものを作らないかと話があった。神藤さん自身もそんな使い方は想像もしていなかったのだが、販売してみると羽織りのような使い方への需要もかなりあると言う。

それから神藤さんも「デザイン」と「ものづくりの技術」を組み合わせることで、タオルの更なる進化が感じられたという。




「真の意味でのオーガニックを求めて」


神藤さんが代表になり神藤タオルに生まれた変化はこれだけでない。SHINTO TOWELに「エシカル」という要素も取り入れた。
SHINTO TOWELでは2年前よりオーガニックコットンに切り替え、地球への取り組みも始めている。

実は神藤さんが入社してすぐに日本オーガニックコットン協会の会長さんを含む一団と、オーガニックコットンの綿畑を視察する機会があった。その時はトルコとエジプトに行き、実際に農薬を使わずに育てられた綿花が手摘みで収穫されている姿を見ている。オーガニックコットンは糸の生産者にも幸せを与えることに感銘を受けたという。

しかし、視察に行った当時の日本では「オーガニック」という言葉が“本当の意味”で使われていないと神藤さんは感じていた。当時の日本の風潮として「オーガニック」という言葉を使えばなんとなくイメージが良く売り上げ促進されるだろう、とマーケティングとして使われているように感じ、神藤さんもオーガニックコットンを使用するのに躊躇していた。


そんなオーガニックコットンに二の足を踏んでいた気持ちが変わったのが海外店舗との取引を始めた時からだという。

SHINTO TOWELもこれから世界でも展開しようと考えた時に、海外の商談になると二言目には「これはオーガニックコットンを使っているのか?」との質問になる。
そして「オーガニック」という言葉が、ただの売るための飾りとしての言葉でなく、このオーガニックコットンは誰が作っているのか、生産国についてまで聞かれ、オーガニックが「人と地球を幸せにする」という目的で使われている。この世界と日本とのエシカルの差に驚いたという。

元々世界でオーガニックコットンの実際の現場を見て感銘を受けていた神藤さん。もちろんオーガニックコットンを使用することで、コストなどは上がってしまう。だけど「エシカル」の時代はすぐそこにあると、SHINTO TOWELもエシカルを意識していくことに舵を切った。


他にもエシカルの要素がSHINTO TOWELにはある。

地元産地である泉州タオルの伝統である「後ざらし製法」は水を大事にしている製法なのだ。泉州タオル自体が、水を使う工程を一気にまとめてやってしまうことで水を使う量と頻度を抑えている。そして使用した水の排水に関しても、非常に厳しいと言われる瀬戸内基準という排水基準をクリアさせている。しかも、排水を浄化させるために化学薬品を使うのでなくより有機的な方法としてバクテリアを使うようにしている。

私たちの日常にタオルは寄り添ってくれる。

そして、SHINTO TOWELは地球にも寄り添ってくれている。

「新たな挑戦は自分達がサステイナブルであるため」


「本当にいいタオルには終わりがない」と語っていた神藤さん。
ものづくりのモットーは「相手が求めているものを作るのが一番である」と話していた。人の好みや心地いい感覚は、時代によっても変わるし、国によっても変わる。伝統があるからと言って、そこに胡座をかいて座っているのではない。大切なものは残しつつ、新たな挑戦をこれからも続けて、進化していく必要がある。


タオル産業は長らく続いてきた商売習慣の名残で、昔ながらの大量に作って大量に売ってという薄利多売のビジネスモデルが続いている。しかし、このやり方だと全ての単価が安いままで、タオル産業に関わる全ての人が困窮してしまう。

新たなタオルを生み出していくのはタオルを作っている自分達がサステナブルであり続けるためでもある。

これからも伝統の技術を大事にして、神藤タオルの個性と時代を合わせたSHINTO TOWELは新たな挑戦をし続けていく。