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総選挙で右から左に振れたフランス、左派も原発で対立
総選挙で右から左に振れたフランス、左派も原発で対立

総選挙で右から左に振れたフランス、左派も原発で対立

2024/07/13・byオルタナ編集部オルタナ編集部

記事のポイント


  1. フランス総選挙は驚きに次ぐ驚きの展開で、極めて不透明な情勢にある
  2. 総選挙で相対多数を獲得した左派連合も、原発への姿勢は内部で対立する
  3. 左派の難民・移民政策は、中道・右派と大きく異なる


2024年6月に実施した欧州議会選挙での極右台頭や、総選挙での左派逆転勝利など、フランス政治が混迷している。パリ五輪を直前に控え、この政局は、気候変動や人権政策にどう影響するのか。世界有数の原発大国のエネルギー政策は変わるのか。同国政治に詳しい慶應義塾大学経済学部の大嶋えり子准教授に寄稿してもらった。(オルタナ編集部)


フランス政治は極めて不透明な状況に


大嶋 えり子

慶應義塾大学経済学部准教授

1984年、東京都生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(政治学)。金城学院大学国際情報学部講師などを経て現職。専門はフランス政治と国際関係。



■驚きに次ぐ驚きの展開


2024年夏、フランス政界は驚きに次ぐ驚きの展開だった。


一つ目は、6月9日の欧州議会選挙で極右政党「国民連合」が大勝した結果を受けて、マクロン大統領が下院の国民議会の解散を即日発表したことだ。


二つ目の驚きは、その解散翌日だった。2022年の総選挙の際に結成し、昨年からパレスチナ情勢をめぐり空中分解していた左派連合が、「新人民戦線」という新たな名を冠して誕生した。