リチウムイオン電池にもPFAS使用:米専門家が懸念示す

記事のポイント
- リチウムイオンに使うPFASについて米国の科学者が環境や健康の懸念を示した
- 国連が廃絶を定めた3種類以外にも、海外ではPFAS規制の強化が進む
- 一方、日本では経産省や日本経団連が欧州の規制に反対を表明しており、孤立しかねない
米国の科学者は7月8日、リチウムイオン電池に使われるPFASの1種「bis-FASI」について研究結果を発表し、環境や健康面での懸念を示した。国連は、1万種類以上の物質があるとされるPFASのうち3物質を、環境や人の健康への有害性から廃絶対象に定めた。日本では経産省や日本経団連が欧州の規制反対を表明しており、このままでは国際的に孤立しかねない。(オルタナ副編集長・北村佳代子)
■海外で進む「PFAS」規制強化
PFASは、水や油をはじき、熱に強いといった特性から、調理器具の焦げ付き防止や衣料品の防水・撥水加工、食品包装、化粧品、泡消火剤、半導体など、世界中で幅広い製品に使われている。自然界ではほとんど分解せず、長期間残留することから、「永遠の化学物質」と呼ばれる。