気温40度で湿度80%、途上国にトイレ届ける職人たち

記事のポイント
- リクシルはバングラデシュやケニアなどで10米ドル以下のトイレの販売を行う
- 安全なトイレが利用できず、命を落とす子どもは毎日700人に及ぶ
- 気温40度・湿度80%の過酷な環境でトイレを作る職人に話を聞いた
リクシルはバングラデシュやフィリピン、ケニアなどで10米ドル以下のトイレの販売を行う。世界では、安全に管理されたトイレを利用できない人が約36億人おり、下痢性疾患で命を落とす子どもは毎日700人に及ぶ。過酷な状況の中、トイレを作る職人の思いとは。(オルタナ副編集長=池田 真隆)
「私には5人の子どもがいたが、1人は下痢性疾患で亡くなってしまった。息子のことを思うとすごく辛くて、今でも信じられない。だからこそ、安全なトイレを広く届けていきたい」
こう話すのは、バングラデシュの北東に位置するハビガンジ県に住む女性だ。簡易式トイレ「SATO」を設置するためには、排泄物を貯める穴を2メートル以上掘らないといけない。女性の仕事は、その穴を掘ることだ。