豪出身格闘家が「日本のシングルマザーの貧困」問題を映画に

記事のポイント
- 豪出身の格闘家が「日本のシングルマザーの貧困」のドキュメンタリーを制作
- 日本のシングルマザーの2人に1人が「相対的貧困」状態にある
- 統計データや海外の状況とも照らし、当事者の声や有識者の見方を届ける
オーストラリア出身の映画監督が、日本のシングルマザーの貧困問題のドキュメンタリー映画を制作した。日本ではシングルマザーの2人に1人が、「相対的貧困」に直面している。映画は、シングルマザー当事者や支援NPOの声とともに、統計データや海外の状況とも照らして日本の貧困問題の構造的な課題を提起する。(オルタナ副編集長・北村佳代子)
ドキュメンタリー映画『取り残された人々:日本におけるシングルマザーの苦境(原題はThe Ones Left Behind: The Plight of Single Mothers in Japan)』を制作したのは、オーストラリア出身で日本在住20年になるライオーン・マカヴォイ監督だ。マカヴォイ監督は、「藤原ライオン」のリング名で、日本のプロレス界でも活躍する。
本映画は今年2月、文部科学省の教育等映像審査での選定作品に選ばれた。ほかにも、宮古島国際映画祭ドキュメンタリー部門最優秀作品賞や、石垣島湘南国際ドキュメンタリー映画・長編部門観客賞を受賞している。
■外から見えづらいシングルマザーの貧困
「日本に長く住んでいるが、日本は先進国で、ミドルクラス以下の生活をしている人はいないというイメージがあった」とマカヴォイ監督はオルタナの取材に答える。
「シングルマザーの貧困問題を知り、それをテーマに映画を制作しようと、当事者に話を聞いたり、子ども食堂やNPO法人などに話を聞いた。聞けば聞くほどその深刻さに驚き、とてもショックを受けた」(マカヴォイ監督)