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日本初「3時間耐火」を実現した木材の開発秘話
日本初「3時間耐火」を実現した木材の開発秘話

日本初「3時間耐火」を実現した木材の開発秘話

2024/12/24・by吉田 広子(オルタナ副編集長)吉田 広子(オルタナ副編集長)

記事のポイント


  1. 木造建築はかつて可燃性が最大の課題だった
  2. 山形の建築会社シェルターが、3時間の火災に耐える燃えない木材を開発
  3. これにより、高さ制限のない木造高層ビルの建築を可能にした

木造建築はかつて可燃性が最大の課題だった。それを解決したのが、木造建築会社シェルター(山形市)だ。日本で初めて3時間の火災に耐える燃えない木材「クールウッド」を開発し、高さ制限のない木造高層ビルの建築を可能にした。同社の木村一義会長が目指すのは、「木造化を通じた人間の幸せ」だ。(オルタナ副編集長=吉田広子、撮影=松田高明)



木村一義(きむら・かずよし)
シェルター代表取締役会長。1949年、山形県生まれ。1972年、足利工業大学工学部建築学科卒業、カーネギーメロン大学大学院建築科留学。帰国後の1974年、シェルターホーム(現シェルター)を創立、代表取締役社長に就任。2020年から代表取締役会長。日本初の接合金物工法「KES(ケス)構法」を開発したほか、木質耐火部材「COOL WOOD(クールウッド)」を開発し、日本初2時間・3時間耐火の国土交通大臣認定を取得。 


※シェルターは、「脱炭素チャレンジカップ2024 オルタナ最優秀賞ストーリー賞」受賞企業です



■独自の構法に大バッシング


――1974年の創業以来、「都市(まち)に森をつくる」をミッションに掲げ、国内外で木造建築を手掛けてきました。木造にこだわる理由について教えてください。


答えは単純で「人間だから」です。人間はもともと森のなかで暮らしてきました。人間も動物であり、自然の一部であることを忘れてはいけません。動物や子どもは、コンクリートや鉄を好むでしょうか。


近代社会は、あまりにも合理性や機能性、経済性を追求し過ぎました。世界の都市を空から撮影すると、東京なのか、パリなのか、ニューヨークなのか、分からないほどよく似ています。私は単純に、コンクリートジャングルのなかで生きる人間が、心身ともに健康でいられるのかが疑問なのです。


長い間、都市では木材は使えないと考えられてきました。しかし、私たちは、コンクリートや鉄しか選択肢がなかった状況を打破し、木造建築という新たな可能性を示しました。シェルターは、常識を覆すための挑戦を続けています。