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「木造建築はカーボンニュートラル」というウソ
「木造建築はカーボンニュートラル」というウソ

「木造建築はカーボンニュートラル」というウソ

2024/05/30・by田中 淳夫(森林ジャーナリスト)田中 淳夫(森林ジャーナリスト)

記事のポイント


  1. 木材は炭素を固定するからという理由で木造建築物は増えている
  2. だが、建築の現場を見ると、この論法がマヤカシに過ぎないことに気付く
  3. 木造建築がカーボンニュートラルではない理由を解説する


木材は炭素を固定するから木造建築物をもっと建てよう――。このところ、そうした論調が目立ち出した。木を伐って木材として利用するとともに跡地に植林したら、カーボンニュートラルだというのである。実際、公共建築を中心に木造建築物は増えている。(森林ジャーナリスト=田中 淳夫)


その理屈はこうだ。樹木は光合成を行う際に二酸化炭素を吸収し炭素を木質として貯め込む。その樹木を伐って建材として利用すれば建築物の耐用年数分(数十年から100年以上)は炭素を固定する。