アジア最大級の広告祭から学ぶ社会課題解決アイデア

記事のポイント
- アジア最大級の広告祭には、社会課題の解決につながるヒントが多い
- 広告祭の受賞作品から革新的な取り組みを3つ紹介する
- 衛星リスクをアイデアで塗り替えた作品や教育の壁を越えた作品などだ
アジア最大級の広告祭「アドフェスト」では、今年も社会課題の解決を狙った「ソリューションアイデア」が多くの賞を受賞した。前回に引き続き新設された「SUSTAINABLE LOTUS」部門の受賞作品の中から、社会課題に対する革新的な取り組みを紹介する。(伊藤 恵=サステナビリティ・プランナー)
■衛生リスクをアイデアで塗り替えた「YELLOW CANTEEN」
高温多湿なインドネシアは、ハエにとって繁殖に最適な気候で、ハエを媒介とした病気は大きな社会課題になっている。特に子どもたちが学校で利用する食堂は屋外に設置されていることが多く、食物を通しての感染が起こりやすい状況が生まれていた。
この問題に対し、塗料メーカーDuluxが立ち上げたのが、「YELLOW CANTEEN」プロジェクトだ。ハエが黄色を避けるという研究をもとに、学校の食堂を鮮やかな黄色に塗装した。
実際に黄色いテーブルにハエが寄りつかないかも実験を通じて効果を証明していった。食堂を黄色く塗り替えることで、安全に食事が取れる衛生的な環境を提供するだけでなく、雰囲気を明るくし、子どもたちにとって快適な空間にすることに成功した。